投資をしていると、必ず直面するのが「バブル相場」。資産価格が急激に上昇し、過熱感が漂う局面です。例えば、2021年の米国株市場や仮想通貨市場、日本の1980年代後半のバブルなどが典型的な例です。
バブル相場では「もっと上がるかも」と思ってしまいがちですが、冷静な判断が求められます。本記事では、バブル相場での立ち回り方を解説します。
1. バブル相場の特徴とは?

✅ 過剰な楽観ムード
市場全体が「この上昇は続く」と信じて疑わない雰囲気に包まれます。メディアでも「今こそ投資のチャンス!」というような報道が増えるのが特徴です。
✅ 投機マネーの流入
個別株、仮想通貨、不動産などに投機資金が流れ込みます。PBRやPERなどのバリュエーション指標が無視され、期待先行で価格が上昇します。
✅ 価格の急騰と急落
バブル相場では価格が短期間で急上昇しますが、崩壊するときも一気に下落します。特に信用取引を利用している投資家は、資産を一気に失うリスクがあります。
2. バブル相場での立ち回り方
① ポジションを増やしすぎない
バブル相場では周囲の熱気に流されて、つい大きなリスクを取ってしまいがちです。しかし、全資産を一点集中投資するのは危険。
▶︎ ルール:資産の20~30%程度までに抑える。
例えば、2021年の仮想通貨バブル時に全資産をビットコインやアルトコインに投入した人は、その後の暴落で大きな損失を被りました。一方、適度に利益確定しながら投資していた人は、ダメージを最小限に抑えられました。
② バリュエーションを無視しない
バブル相場ではPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が異常な水準に達します。例えば、2021年の米国ハイテク株はPER50倍以上の企業が続出しました。
▶︎ ルール:バブル期のPERは歴史的水準と比較する。
例:
- 過去10年の平均PERが20倍の企業 → 50倍になったら警戒
- PBRが10倍を超えたら過熱感あり
③ 利益確定のルールを決める
「もっと上がるかも」と思う気持ちはわかりますが、欲張りすぎると結局利益を逃します。
▶︎ ルール:一定の上昇率で利益確定する(例:+50%で半分売る)。
例:
- 100万円投資 → 150万円になったら50万円分売却
- さらに200万円になったら追加で50万円売却
こうすることで、バブルが崩壊しても元本を守れます。
④ 逆張り(ショート)は慎重に
バブル相場では「これは明らかに過熱しすぎ!」と考えてショート(空売り)を仕掛けたくなります。しかし、バブルは予想以上に長く続くことがあり、ショート勢が踏み上げられて退場するケースがよくあります。
▶︎ ルール:ショートは過熱感が極端になったときに限定する。
例えば:
- 日経平均が3日連続で+3%以上の急騰 → 短期ショートの検討
- SNSで「投資で簡単に儲かる!」という投稿が増加 → バブル崩壊のサイン
3. バブル崩壊後の立ち回り

① キャッシュポジションを確保
バブルが崩壊すると、一時的に市場は悲観ムードに包まれます。しかし、崩壊後は割安になった資産を買うチャンスでもあります。
▶︎ ルール:資産の30~50%は現金・債券で持つ。
例えば:
- 2000年のITバブル崩壊後、NASDAQは約3年間下落し続けたが、2003年以降は回復。
- 2008年のリーマンショック後、S&P500は約1年で底を打ち、その後10年以上の上昇トレンドへ。
② 優良銘柄を拾う
バブル崩壊後、過剰に売られた優良企業の株を仕込むのが賢明な戦略です。
▶︎ ルール:財務が健全な企業の株を安値で買う。
例:
- 2008年リーマンショック後、Amazon(AMZN)は株価50ドル → 2021年には3500ドル超
- 2000年のITバブル崩壊後、Apple(AAPL)は低迷 → その後10倍以上に成長
まとめ:バブル相場は「冷静に立ち回る」
バブル相場は短期的に大きな利益を生むチャンスですが、慎重に立ち回らないと痛い目を見ます。
✔ バブル相場での立ち回り5原則
- ポジションを増やしすぎない(資産の20~30%まで)
- バリュエーションを無視しない(PERやPBRを確認)
- 利益確定のルールを決める(+50%で半分売却など)
- ショートは慎重に(過熱感のピークで実行)
- バブル崩壊後に優良資産を拾う(現金ポジションを確保)
バブルに振り回されず、合理的な投資判断をすることが長期的な資産形成につながります。バブルは繰り返し発生するもの。次のバブルが来たときも、冷静に立ち回りましょう。