信用取引のメリットと落とし穴:初心者でも知っておくべきポイント

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信用取引は株式投資の手法の一つで、自己資金以上の取引が可能になるため、短期間で大きなリターンを狙うことができます。しかし、その分リスクも高く、適切な知識がないと大きな損失を被る可能性があります。今回は、信用取引のメリットと落とし穴についてわかりやすく解説します。


1. 信用取引とは?

信用取引とは、証券会社から資金や株式を借りて売買を行う投資手法です。自分の資金よりも多くの取引ができるため、レバレッジをかけて利益を狙うことが可能です。

信用取引には以下の2種類があります。

  • 信用買い:証券会社からお金を借りて株を購入し、値上がりしたら売却して利益を得る。
  • 信用売り(空売り):証券会社から株を借りて売却し、値下がりしたら買い戻して利益を得る。

2. 信用取引のメリット

(1) 少ない資金で大きな取引が可能

信用取引では、通常の約3.3倍の資金で取引できます。たとえば、自己資金100万円であれば、最大約330万円分の取引が可能になります。これにより、資金効率を高められます。

(2) 空売りができる

現物取引では「安く買って高く売る」ことでしか利益を得られませんが、信用取引の「空売り」を活用すれば、株価が下落する局面でも利益を狙えます。たとえば、市場全体が暴落しているときに空売りをすれば、リスクヘッジにもなります。

(3) 短期売買に向いている

信用取引は短期間での売買が可能なため、デイトレードやスイングトレードを行う投資家に向いています。小さな値動きでも大きな利益を狙えるため、相場の流れを素早く読んで取引できる人には大きな武器になります。

(4) 配当や株主優待の権利を得られる(信用買いの場合)

信用買いをして権利確定日までに株を保有していれば、配当や株主優待を受け取ることが可能です。ただし、信用売りの場合は「逆に配当を支払う」ことになるので注意が必要です。


3. 信用取引の落とし穴

(1) 損失が膨らむ可能性がある

レバレッジをかけているため、利益が増える一方で損失も拡大しやすいです。たとえば、100万円の自己資金で300万円分の株を買った場合、株価が1/3に下がると300万円の損失となり、自己資金がゼロになるどころか追加で200万円の支払いが必要になります。

(2) 追証(おいしょう)が発生するリスク

信用取引では、損失が一定のラインを超えると「追加証拠金(追証)」の請求が発生します。これが払えないと強制的にポジションを決済され、思わぬ損失につながることがあります。特に、株価の急落時には避けられないこともあります。

(3) 無限に損失が発生する可能性(特に信用売り)

信用買いの場合は、株価がゼロになったとしても損失は最大で投資額分です。しかし、信用売りの場合、理論上株価が無限に上がる可能性があるため、損失も無限に発生するリスクがあります。

実際、過去に「空売りで大損した投資家」のニュースが何度も報道されています。例えば、2021年にアメリカのゲームストップ株が急騰した際、空売りしていたヘッジファンドが莫大な損失を被りました。

(4) 金利や貸株料がかかる

信用取引では、証券会社からお金や株を借りて取引するため、金利や貸株料が発生します。長期でポジションを持つと、それだけコストがかかり、利益を圧迫します。

(5) 制度信用と一般信用の違いを理解していないと不利

信用取引には「制度信用」と「一般信用」があります。制度信用は6ヶ月の期限付きですが、金利が安くなることが多いです。一方、一般信用は無期限で取引できますが、金利が高めに設定されています。これを理解せずに利用すると、余計なコストを負担することになります。


4. 信用取引を安全に活用するためのポイント

✅ レバレッジは適度に抑える

最大のリスクは「自己資金以上の損失」です。信用取引を使う場合、レバレッジは控えめに設定し、資金の3分の1以下を目安にするのが無難です。

✅ 損切りルールを徹底する

信用取引では、想定以上の損失を防ぐために、事前に損切りライン(例えば5%下落で損切り)を決めておくことが重要です。

✅ 短期売買に徹する

信用取引は長期投資には向いていません。金利や貸株料がかかるため、短期間で売買する方が有利です。

✅ 空売りには特に注意

信用売りは、利益の上限が決まっている(最大でも株価がゼロになるまで)が、損失は無限大になる可能性があります。そのため、信用売りを行う場合は、損切りルールを厳格に設定しましょう。


5. リスク管理をしっかりと

信用取引は、資金効率を高め、短期間で大きなリターンを狙える魅力的な手法です。しかし、リスク管理をしっかりしないと、資産を大きく減らしてしまう可能性もあります。

信用取引を使う際のポイント

  • レバレッジは控えめに
  • 損切りルールを徹底
  • 空売りのリスクを理解する
  • 短期売買を基本とする

初心者のうちは、まずは現物取引で経験を積み、信用取引のリスクをしっかり理解してから活用するのが賢明です。うまく活用すれば、資産運用の幅を広げることができますが、慎重なリスク管理を忘れずに行いましょう。

【関連リンク】信用取引とは?(楽天証券)

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